『みんな!オラに元気を分けてくれっ!』と西表、バラス島でやってみる。
2018年も9月一週目、砂浜芸能祭に合わせて西表行き決定!です。
医療法人の事業承継【親族内承継だったら・・・】
ー 前回記事はこちら ー
「親族内承継でしたら悩まないですよね?」
というご質問。
・嬉しい悩みで子供二人が医者だったら?
・息子が継いでくれたけど自分はまだまだ元気。
息子がワシを煙たがっているような・・・
親族内承継でもそれはそれで悩みがあるもの。
ただし!
それでも時間的余裕もありスタッフも患者さんも
親族が承継する、という事で安心してくれます。
あとは「金銭面」だけですが意見の食い違いにより
ぶつかる事はあるにせよ、それは内輪の話でして
表面上は診療を続けることが出来ます。
後継に親族がいる!
というのは『事業承継』というイベント時
大きなアドバンテージになるのは確かです。
「息子が医者になってくれない」という悩み続出中!!
お医者様のお子様も優秀です。
そして医学部に入ってくれれば一安心♪
なのですが、難しいのが高校時代。
コースによっては医学部志向ではないクラスメートも沢山出来ます。
いまでしたら海外志向、ネット系で起業したい!などでしょうか。
優秀なお子様は同じく優秀なクラスメイトに刺激を受けて方向性が
変わってしまう!なんて事も想定しなければいけません。
これは嬉しいのか寂しいことなのかよく聞く話であります。
というわけで以下、実際に手掛けた第三者への医療法人
売却スキームを参考に一連のポイントをまとめてみました。
まずは法人化しましょう!こちらが先です。
これは親族内承継でもオススメします。
法人化して事業承継するメリットは以下の通り。
(末尾に参考記事掲載)
① 退職金を支給できる
② 理事長、院長の二診体制をとれる
③ 各種手続きが「廃業→開設(開業)」の2パターンではなく、
「変更」の1パターンで収まる+おまけに厚生局の新規個別指導が入らない?
では個別に確認を。
① 退職金を支給できる
現状の税制ではたいていの個人医院は不利。
損金になり(法人税の節税)、かつ所得税の恩恵も受ける
「退職金」これは他に代えられません。
反対に小規模企業共済、倒産防止共済は法人成りと同時に
強制解約=所得税の課税対象になってしまうのでご留意を!
※続ける裏技もあります。青色は何も医療だけではない・・・
② 理事長、院長の二診体制をとれる
すぐに引き継がせない、
すぐに引き継ぐカネがない、
なんて場合にメリットあり。
ま、個人でも出来ないことはありませんが医療法人の場合、
買い手候補Dr.を理事に就任させ(理事人数には注意必要)、
役職は一旦、院長(又は副院長)などに就任して頂き、自身は
理事長(又は院長のまま)に就任する。
そして出来れば非常勤ではなく常勤として働いて頂き、スタ
ッフと信頼関係の構築、患者様に顔と人柄を覚えて頂くこと
が大切になります。
また買い手候補Dr.にとってもM&A先の医療法人で働いた
事は購入資金の融資を受ける際にも有利になります。
※実際、手掛けたケースでは担保条件が大幅に緩和される。
③ 各種手続きが2回から1回で収まる
わたしが買い手Dr.だったら正直これが一番のメリットかも。
個人医院であれば、
先ずは売却側は各種廃止届け等を提出し、
購入側が各種開設届け等を提出しなければいけません。
これが医療法人でしたら
・保健所へ診療所開設届を提出しなくて良い
・保健所へ診療用エックス線装置設置届を提出しなくて良い
(届出事項変更届・管理者変更届だけで良い)
・麻薬の扱いがあれば同様の面倒あり
・厚生局へ保険医療機関指定申請書を提出しなくて良い
・厚生局の新規個別指導が入らないかも?
(個人医院であれば新規開設ということで必ずあります)
というメリットがあります。
実際どのくらいのスケジュール、手続きで承継可能か?
まずは取引先である医薬品・医療機材の
卸売業者と仲良くなりましょう。
参考までに沖縄県で積極的に保健所・厚生局への提出資料作成に協力してくださる業者は以下の通り。もし取引先にありましたら「いま」は考えていなくとも担当者にチラッと声がけするのもアリです。「将来このクリニック売るかもしれないんだよね」と。チラッとですよ!小声で。
① 株式会社ダイコー沖縄〜県内では一番丁寧、積極的に取り組んで頂けます。
② 有限会社ファーストメディカル〜眼科であればこちら。ここの凄いところは事務関係だけでなく、新規開設の場合はスタッフ研修等も適宜行って頂けること。
③ 株式会社沖縄歯科器材〜沖縄県の歯科医院であればダントツでこちら。小回りも効きますし、何といってもカード払い出来るのが若い先生に人気の秘密。
すべてはここからです。
税理士が買い手候補を見つけてこれる程の
チカラ・コネなんて微塵もありません。
声をかけるタイミング、そうですね先生の意思が
固まればまだ早いかな?って時で良いでしょう。
早々すぐにみつかるものでもありませんので。
そしてわたしは一緒に働いて互いに確認する!
というのが三方良しだと考え勧めております。
期間は出来れば半年は欲しいところ。
で、売却を前提に各種協力業者と打合せは進める。
その半年の勤務期間の前後+1ヵ月ずつ、
計8ヶ月はかけて良いでしょう。
法人ですから「売却額」に折り合いがつけば実はその後はとっても簡単。
1.まずは「社員総会」を開き(買い手側の)理事就任、(売り手側の)理事退任
2.次に「理事会」を開き新理事長の選出
3.後は細々とした変更届・異動届などを提出するだけで完了
という具合にとっても簡単なので「買い手をみつけてきたゾ?」
という方へは別として、この作業サポートだけで何百万円も請求する
自称コンサルタント達には充分に気をつけましょう。
沖縄はまだそこまで怪しい輩はいないようですが・・・。
最後に!これだけは整理しておこう
売り手側の先生へ
いま又は昔の税理士のいうがままに、
御自宅やクリニック建物を法人名義にしていませんか。
「固定資産税や修繕費が経費になるから法人名義が有利」
などと勧められて・・・
病院レベル、配偶者やお子様もDr.の場合はまあ良しとします。
なぜ整理すべきか?(法人名義を控えるべきか)
例)
持分なし医療法人
理事長が不慮の事故で死亡
クリニック建物が法人名義
自宅も法人名義
配偶者は一応理事には就任している
配偶者様はDr.にあらず
実はこの場合、代わりのDr.を見つけないと
医療法人は解散せざるを得ないのです。
若しくはどこかの医療機関へ吸収合併されてしまう。
ですがそのクリニックが地域社会に必要とされていた
ならば何処かから、誰かが見つけてくるのかも知れません。
そのとき奥様は何が出来るでしょうか。
理事に入っていましたので理事会で意見は言えるでしょう。
「理事長の死亡退職金は◯◯円は払え」と。
理事退職金規定はあった方が良い場合と
無い方がかえって良いケースもあります。
まぁそこは置いといて
この時、意地悪な「僕が後を引き継いでも良いけど
こんなにお金(退職金支給で)減るなら嫌だなぁ…
じゃあやっぱ引き継ぐのやーめた」なんて言われたら?
次、
自宅やクリニックを退職金代わりに遺族に渡そうか?
不動産ですから価格は幾ら!と簡単には決めきれません。
ここでも意地悪にあったら?
そう!医療法人で肝となる物件を所有し、
家族が医師ではなく引き継げない場合、ここが一番恐い。
し・か・も!
自宅が法人名義の場合
諸事情で引っ越す事になり住まなくなった旧自宅。
医療法では赤の他人に旧自宅は貸せません。
不動産賃貸業は医療法違反です。
クリニック建物が最初っから個人所有の場合
理事長亡き後も建物を相続した遺族が新クリニック
(仮にクリニックの引継ぎ手がみつからなくても国等へ
没収されることなく)又は違う方へ貸すことによって
不動産オーナーとして生活が出来ます。
如何でしたでしょうか。
どうぞ目先の「節税」という言葉だけに惑わされず
よくよく考え直してみて下さい。しかも大した節税になって
いない事が殆どです。あぁ恐ろしや。
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-ひふみ税理士の近況-21
・午前中は家でゆっくり調べもの。そういえば前職時代のlunchは100%外食でしたが独立した今、だいぶ減っています。今日も家で。
・午後からは定例訪問を1件。友人でもありどんどん大きくなる法人で我が事のように嬉しい。次はいよいよ銀行と大きなプロパー融資の交渉が待っています。やりまっせ。