もしも民間企業がサグラダ・ファミリアを運営していたら税務処理は複雑怪奇。僕は担当しない(出来ない)

2026年の完成を目掛けて昼夜建築工事が進むサグラダ・ファミリア

教会内は綺麗なのにあえて工事現場の写真をアップする…

この時点で
ひふみ税理士の曲がった性格が露呈してしまうが気にしない。

こんな素敵な建築物を眺めながら

税務処理について考えてしまう・・・

はぁ自分でも悲しきかな職業病が発症した。

Q.サグラダ・ファミリアの工事費は資産計上 or 修繕費?

もしもこの教会を日本で、

しかも民間企業が、

(赤字になるでしょうけど)収益事業として

自分たち行っていたらどうなるのだろうか。

「オマエ、せっかくの観光で何を考えているのか?」

「つまんないヤツやなー」

でも・・・わたしは考えてしまう。

これでも一応、税理士の端くれ

ただ…

そんなことばかりを考えていると、

憧れのバルセロナへ来た税理士の機嫌は曇り

年間300日の晴天説を覆そうなので今回の独り言は短めに。

Ans. 非営利団体なので関係ない!

サグラダ・ファミリア
こちらの運営主体は宗教法人ですから

日本でいう固定資産税もかからなければ、

拝観料も非課税収入でしょう。

よく見分けのつかない工事費(新たな建築なのか修繕なのか)
だって実際かかった工事代を事業報告書のようなものに記載して完了でしょう。

ちなみに過去、サグラダ・ファミリアの一部違法建築が発覚した際には、

さすがに行政側が折れ

サグラダ・ファミリア特別法

なるものが制定されました。
この柔軟さもバルセロナの素敵なところですよね。

日◯のように頭の固い行政トップがここバルセロナにもしも存在し、
サグラダ・ファミリア工事中止!
なんてことになったら今のような観光都市にもならなかったでしょう。

日本版サグラダ・ファミリアを造るとしたら?

そして本題

もしも日本のとある大富豪が
何を血迷ったのか

日本のサグラダ・ファミリアを造る!

と豪語し本当に建築に走ったら・・・。

まずは、

「止めておきましょう・・・」

と心の中で叫びますが
まぁこちらの言うことは聞いてくれないです、多分。

そしてわたしは税務処理で頭を悩ませるでしょう。

この【日本版サグラダ・ファミリア】の場合

第一の塔、第二の塔・・・と順々に完成→開業すれば良いものの
第一の塔、一階部分は完成→開業!でも、そこから見える屋根部分は工事中・・・
それも何年もかかる、となった場合は?

※すみません、同業者向けのどーでも良いハナシになってしまいました。

この場合、次々と請求される工事代はどう処理していきましょうか。
拝観料?収入は上がってきていると仮定します。

1.建物処理〜都度出来上がると判断し、部分工事が完成の都度(耐用年数計算するの面倒ですが)資産計上していきましょうか。

2.建設仮勘定処理〜いーえ。第一の塔が全て完了するまで仮勘定で処理!この場合は固定資産税はかからないとしても、償却も出来なければ消費税も完成まで原則納めっぱなし。まてよ、openしているから収入は上がるのに損金には計上出来ない?それもおかしいぞ??

3.修繕費処理〜出来ればこちらに持っていきたいのかもしれませんが、今回の例題ですとあくまで新設工事ですから不可!
途中、本当に壊れたものを直すのであれば別ですが。

以上、社長というよりも現場監督との綿密な打合せが必要になるのは言うまでもない。

なお、ここで万が一その日本版サグラダ・ファミリア建設予定地の市町村から補助金・助成金が入ったらどうしましょうか。

それも「◯◯の塔 建設助成金」などと紐づけされていれば良いものの、ファジーな名目でもらっちゃったら?何億円も。

※ハウステンボスが買収時、固定資産税10年分(実質)の免除などもありましたがこれに似たイメージで。

うーん恐い、お近くの税務署へ行って相談しましょう!

修繕だけしてくれりゃ処理は『楽』なのに


暑いですが色々歩いています。

築100年超えの建物(観光名所のカサ・ミラ、カサ・バトリョ)も
何軒か周ってみましたがどれも現役。

その100年選手の建物でも暮らそうと思えば生活できます。

日本で築100年超え、いまも生活可能な物件が幾つあるでしょうか。

それがバルセロナ市内の、

それもメインストリートに何軒も存在します。

まだまだ現役だゾ!といわんばかりに堂々と。

このような完成物にかかる修繕費用は殆どが

修繕費になりますので税務処理は楽そうです。

でも・・・

こんなオブジェは美術品等として

非償却資産になりますので充分にご注意を。

【最後に】

まぁ、そんな大富豪がひふみ税理士事務所のような極小零細税理士事務所になんぞ依頼しないでしょうからやはり杞憂で終わるのですが。