社長(経営者)は通帳の中身を確認しない?だから横領はいつの時代も無くならない。


横領は続くよいつまでも・・・。

18年間も発覚せず。ドラマじゃないよ現実だよ。

数ヶ月前、沖縄の地元紙より。

とある同業者団体の内部で事件は起きました。(発覚しました)

この事件、関係筋より一年ほど前に聞いていたのですが新聞に出るまで一年もかかった事にまず驚き。揉み消そうと相当躍起になっていた方がいるようで。

更に凄いのがこの団体、5年ほど前にも預かったお金を「やらかした!」事を聞いていたのですがまさか同じ職員が横領を続けていたとこのニュースで知り、監査はどうなってるんや?と夢ではないかと眠い朝、わたしはほっぺをつねりました。

昔、見城社長で有名な幻冬舎が上場していた時代、9億円の横領が発覚したのにも驚いた記憶が(大企業は規模が違います)あります。

しかし18年間もです。
ワールドカップ、4回は開催していますよ。オリンピックも。
そこそこの規模の団体ですよ?

「横領した職員が書類を巧妙に改ざんしていた」

との事ですが(もちろん横領した人間が悪いのですが)わたし達からするとよくもまぁ5,000万円近くの横領が発覚しなかったもんだと興味が湧いてきます。

任意団体の監査(といっても通帳残高を確認するだけ)業務も時々行いますが、未だに多いリクエストが、

残高証明書だけを渡されて経理のつくった帳簿と合っているか見てくれ!と言われること。

いやいや、これ何でも出来ちゃいますよ(やっちゃダメですけど)。
何なのでしょうか、やけに残高証明書を信用している社長や団体長が多いようですが「残高証明書と帳簿を合わせる」、こんなのちょっと詳しい人間が入ればどうにでも細工が出来ちゃいます。そのチェック方法、信用してはいけないのです。

※真似してはいけない!こんな事をすると発覚が遅れてしまう(恐ろしい)

・仮に3月末締とする。9月の中間監査はなし。

・4月から横領を開始。これから翌年3月までちょこちょこ引き出し。

・3月末、監査が近い、ということで一時的に横領した分を用立てその通帳へ入金。

・無事3月31日を乗り越え全額引き出し、用立ててくれた方へ返済。

残高証明書しか見ない監査、中間決算をしない、となると残高証明書の改ざんをしないで丸々最低でも2年間も猶予を与えてしまいます。ほんと団体長が通帳をみれば一発で分かる事なのに・・・って、こんな幼稚な方法バレるでしょ!

おっ、笑いましたね?

でもこれ、フィクションではないのですよ。
不思議な体験・・・(遠い目)

あとは定期預金を細工するツワモノ、帳簿に載せていないメイン銀行ではない別の口座を作成したもの・・・

恥ずかしながら「おぉ!これはすぐにはバレないかも!」と感心した裏技も。

あぁ・・・怖い・・・

なくて七癖、通帳を見ればその人の性格が分かります。

BOSSは「通帳の中身を見てみましょう

まずはこれ。
見ない経営者が何と多いことか。
これ、横領どうぞどうぞ、と言ってるようなものですから。

我々、普段から確認している各社様の御通帳。

もう何千冊と見てきましたが実はその通帳、会社(経理担当者)様によってひとつひとつ通帳の記載内容、記帳方法、クセといいましょうか、まるで異なるのです。

・入金と出金を混ぜ混ぜ ≠ 必ず別個にする

・毎日記帳 ≠ 月一記帳

・売上を都度引き出し ≠ 売上を定期的に引き出し

・定期的に同額引き出し ≠ 定期的にあるだけ引き出し

・都度支払い ≠ まとめて支払い

などなど。

どれが良い悪いではなく、「クセ」が分かるのです。
この辺りは税務調査官の皆さまが大得意ですね。逆L(エル)口座(貯めて、貯めて、一気に引き出す、隠し口座に多く見られる通帳の動き)とか大好きで。

ついでに通帳の動きを見ても儲かっているか苦しいかもすぐに分かります。

儲かっている会社ほどシンプルで。

入金、入金また入金・・・最後に引き出し。
で、この引き出しが同額そのまま支払い口座へ入金。

(こんな通帳監査、好きです)

そうでない場合は・・・

入金、引き出し、入金、引き出し、、、、
で、その引き出しがどこに飛んでいったか分からない汗。

(こんな通帳監査、目薬必要ですっ)

時々、こういうチェックは税理士の仕事だろ?
と言われますが、いいえ、社長のお仕事です。

毎日チェックするからこそ、

経理担当者様の心の中に「魔」が差さないのです。

宜しいでしょうか!

チェックの期間がどんなに早くても月に一回しか見ない税理士なんて、優秀な経理担当者様からみたらヘナチョコなのです。

一ヶ月もあれば悪知恵菌も発生してしまいます。

繁殖させちゃいけません!

それが毎朝、または終業時にチェックする社長がいたら?

「魔」が差さないようにさせるのが社長の仕事

さぁ、ドキッとした社長!明日の朝一番に通帳の中身を確認しましょう!