税理士に受かっただけで給料が月額10万円昇給。これって喜んでよい?

一二三太陽くんの賃金台帳

彼は昨年の冬に苦労して税理士試験に合格したどこにでもある税理士事務所に勤める普通の青年。
(税理士登録はまだ済ませていない)

いつも通り仕事をしていたら、
突然BOSSからこう告げられる。

『翌月から給料、10万円昇給しておくから』

普通だったら喜ばしいことなのでしょうけど、
その時、彼の腹の中は・・・

こんな顔でした。
きっと。

(ア、アヤシイ・・・何たくらんどるねん!?)

※ このカワイイ子たちが居るお店は彼の自宅から徒歩5分にあるバーガー屋、BOASORTEさん(ボアソルチ)らしい。

独立退職防止の布石→理解に苦しむ昇給

月に10万円昇給。

サラリーマンやっていればこりゃ嬉しい。

「社長、ありがとうございます!明日からも一生懸命仕事頑張りまーーっす!」

昇進と同時に昇給。
責任が増えた分の昇給。
仕事が増えた分の昇給。

分かります。

賞与の大幅アップ。
この半期、色々仕事とってきたからなー。
会社自体業績良かったからなぁ。

分かります。

で、昨日と何も変わらないのに、
突然月給が10万円アップ。

分かりません。

おかしいです。
何か企んでいるとしか思えません。
彼は素直に喜べない性格。素直にI’m Sorry

ってじつは鈍感な彼でもピンと来ていました。

「ははーん、僕の独立を警戒しているなァ?」と。

事務所側の独立退職阻止の骨抜き大作戦が始まったようでしたが、
彼はこの昇給をひとつの起点として「独立退職」を考え出したそうです。

彼の気持ちはこうでした。

「なにもやっていることは変わらないのに、
いきなり10万円の昇給?だったらもっと前から
上げておいてくれよ今まで何だったんだ?」と。

皮肉なものです。
彼はもともと給料の額に不満はありませんでした。
不満があれば自ら言うタイプ。

昇給を機に「退職」を考えるとは。

「突然の昇給」のお話し。奥が深い・・・

全国の経営者の皆様へ→給料は段階的に上げるべし

ひふみ税理士の話しに戻ります。

わたしは経営者の皆様にこうアドバイスします。

昇給幅には気をつけて下さい」と。

社長は良く働いてくれる従業員のため、
常に「昇給」を考えてくれています。
本当に有り難いお話し。

そして、会社に幾らかの蓄えが出来たときに実行してくれます。
そんな時の昇給って「額」はもちろんですけど「気持ち」が嬉しいんです。
わたしたち。

その「額」がたとえ1,000円でも2,000円でも。

それが突然、業務内容も変わらず突然1.2倍などになったら
「今までの給料はなんだったのか?」
「ナメていたの、いや適当だった?」

ってなっちゃうんです。

まぁ言ってしまえばスタート、初年度の給料設定がおかしかったのです。(2年目での大幅昇給はOKでしょう)

ですから「コイツにはもっと上げてやりたい!」と思う昇給の機会を逃してしまった優秀なスタッフがいれば、その時はまず「賞与」で還元してあげましょう。

その次に定時昇給で「コツコツ+アルファ」でいきましょう。

経営者が考えているほどスタッフはそこまで給料の額にこだわっていません。(年を追うごと半ば諦めています?)

それよりも働きやすさ

平成が終わろうとする今、
ここが一番大切なことに変わりました。