この時期、各マネー雑誌では確定申告特集が組まれます。
ダイヤモンド社のZAi(ザイ)なんかは図解解説が分かりやすく、
税理士であるわたしも毎年目を通します。
株で損しちゃったんですけど。。。
『実は・・・昨年、株式投資の方でマイナスを出しちゃったんですけど、これって確定申告すると来年以降に利益が出た時は税金が安くなるんですよね?』
恥ずかしそうに、そして小声でボソッとわたしに語ったのは県内で個人事業を営む若手のAさんとしよう。
株式投資をされている方ならおわかりかと思いますが、このAさんの言う通り「税金」は安くなる。正しくは来年以降に利益が出れば今回の損失を充当することが出来る。毎回、確定申告をする必要があるが。
よし、それでは確定申告をしよう!というのは早計だ。
おい!この税理士は何を馬鹿なことを言っているんだ?
なぜ税金が安くなるのに勧めない?
それはわたしなりの「優しさ」です。
相手は「その申告書」を見てどう感じるか
わたしは全員に申告をするな、とは言わない。
該当する方(損失を出した方)がサラリーマンで、
・今後も独立する予定がない
・住宅ローンなど借り入れの予定もない、
のであれば上記と反対のことをアドバイスします。
税金が安くなる(可能性がある)、良いことじゃないですか!
どんどん確定申告してください。
ただし、事業をされている方には少しだけアドバイスさせて頂きます。
「はい、仰る通り3年間、損失の繰越が出来ます・・・出来ますが、本業以外に株式投資をされて、それも損失を計上しました〜と自ら公開したら、これから融資を申し込む時に銀行さんは何と思いますかね」と。
(喋り方のトーンなども工夫し、そんなに冷たくは言っていないです、多分)
シンプルにお金を貸す側の気持ちになってみれば一目瞭然です。
行員になったとして一緒に考えてみて下さい。
お客が(例えば)飲食店を経営していて新店舗を開きたいからと、事業計画書を片手に熱く説明している・・・けれど副業の株式投資で大きく穴をあけている(損失を出している)・・・。
声に出してこそ言わないでしょうけれど誰しもが「本業に集中すれよ」と冷めた目でみるでしょう。
では融資がおりないのか。
それは金融機関ではありませんからわたしには分かりません。
しかし融資を申し込む際にプラス評価されることは「無い」
その他にも、
・どこかのテナントに入居するとき
・何かの申込みをするとき
・事業をたたみ、再就職するとき
・運良く事業がファンドの目にとまりデューデリが入ったとき
など、事業をやっていれば明日、突然「申告書を出せ!」と言われるかもしれません。
そんな時に本当に小さな目先の節税に惑わされ、大きな利益を逃すことがあってはなりません。
今回は「株の損失」の話しでしたが、
決算間際の「節税対策」
余分なものを買う
インチキ保険に加入する
なども同様です。
決算書にお金がない(少ない)会社、事業者には貸したくないんです。
それは相手、貸す側の立場になれば簡単に分かること。
それでも株の損失を申告したい。
それも納税者様の自由です。
税理士はアドバイス業ですから。
-ひふみ税理士の近況- (♂7/46 ♀3/29)
・毎朝少しだけ、毎回違うルートを通りウォーキングしていますが今朝から半袖。沖縄の朝は暖かい。
・Amazon Audible退会手続き。
・GW、夏の旅行計画を練る。GWは台湾かな…