全国の税理士会研修部の皆様へ→海外研修などよりも【神の島】久高島へ行こう!ユニークな土地制度あります。

平成最後の夜、
令和初日の朝はどこで過ごそうか?
と考えていたらこの島に辿り着きました。

わたしはカウントダウンなどへのイベントには絶対行きませんし、海外で越すのも寂しいなと。

神の島とも呼ばれ、貿易でも成功した久高島(くだかじま)

沖縄本島から近いのに、なぜか遠く感じさせる久高島

数日前に訪れた粟国島と比べるとこんなに近い

・那覇空港から車で約50分で安座真(あざま)港(駐車は無料)
・からのフェリーで15分(高速船の場合。料金は往復約1,500円)で久高島

・琉球王国時代から国王がこの島まで訪れて礼拝をしていたという聖地の島(琉球の神、アマミキヨが降りたった島という神話があります)

・また、1609年の薩摩藩の琉球侵攻後、薩摩藩から優遇されていた久高島

※ 優遇=伝統のイラブー汁(ウミヘビ=栄養満点)のお陰。当時は単なる栄養失調で働けなくなるものが多かった時代。だが久高島の男たちはイラブー汁を食べて育ったため、みな強靭な体力であったことから優遇され、主に海上輸送・貿易の担い手となる。

※ 昆布で稼げた時代

・当時、富山の薬売りが「北海道昆布」を薩摩藩に渡す
・薩摩藩が琉球へ持っていく
・それを久高の島民が上海まで輸出する
・輸出出来ないB品の昆布が沖縄で消費され長らく昆布消費量日本一が沖縄だった

・なお、その貿易で莫大な利益(薩摩藩に渡してもなお残る)を稼ぎ出したため、久高島の集落を歩くと立派な石垣を拝むことが出来ます(現在価値で1億円を超える超高級石垣も!)

普段、身近で手に入れることが出来ないものはそれなりの値付けが出来た時代。なにか考えさせられるものがあります。

なお、そのイラブー汁は島では数少ない食堂(夜はここだけ)、食事処とくじんさんで食べることが出来ます。(座席の予約不可。ポイントは観光客の集まりだす17時過ぎには店に入ること。ラストオーダーは19時ですがこれは毎回変更するそうなので要注意)

沖縄本島の食堂でも食べたことがありますが、この島で食べるイラブー汁は格別に美味しい。濃〜い鰹出汁がきいた薬膳料理と思って頂ければ。二日酔いの朝なんかに最適な料理かと思います。(見た目以上に美味しいです、いや本当に。ただ高いです・・・)

そして日帰り客が殆どなのですが、宿泊施設も数箇所あります。
小さな宿もあったようですがホームページなどが充実していたこちらを選択

久高島宿泊交流館

大人二人、簡単な朝食がついて一人9,000円ほど。(本当に簡単…)

空いているかな、と予想していましたが平成→令和をこの島で、と考えている方は他にもいるようでほぼ満室。(青少年の家、ユースホステルのようで個室、という感じ。廊下の明かりが部屋に漏れますのでアイマスクがあると良い。あと耳栓とか)

港から歩いて行くことも出来ます、が雨、晴天だとキツイかもしれません。

港から歩いてすぐに幾つかのレンタサイクルがありますのでそちらを利用しても良いでしょう。

事前に島ガイドを予約すると港まで迎えに来てくれて宿まで送ってくれます。

時期、人数にもよりますが今回は2時間、島内をたっぷり案内してもらって合計6,000円(貸し切り)。

なお、ここまで久高島での支払いは全て現金オンリーです。
こ、この島にはキャッシュレスという言葉は未だありません汗

島人ガイドの内間サン
北海道でも暮らしたことがあるという、オモロイおじさん。
何かと縁があります、色々と。

なぜ税理士にオススメするのか

税理士だけではありません。

司法書士、行政書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、弁護士?にも一度は足を運んでもらいたい。

というのもこの久高島特有の制度がユニークだからです。

それはこの島に個人所有の土地がない

この島では国有地、市有地を除き全てが共有地。
字久高の「総有」として何をするにも字総会の許可がなければ何も出来ない。この令和の時代においても、です。

ただし、ここまでだと全国の離島でも似たような事例はありますが、面白いのがここからです。

この島では男性が16歳になると300坪の農地が分け与えられます。
そして50歳になると「字」へ返還する義務も生じます。

僕は質問しました。
「でも島には高校が無いですよね?その時はどうなりますか?」

答え「その16歳になった男性の家族、親戚(女性が耕してもOK)が割当てられた農地を使用している」とのこと。

で、一区画で300坪ではなく、細切れに割り当てられます。(あちこち何箇所にも分けられて)
この写真では縦に細長く・・・石で境界線をつくるというなんとも原始的な方法。

なぜこんな効率の悪い割り当てをするのか?
→良い土地、悪い土地で不公平が出ないようにするため

そして両隣と同じ作物を作ってはいけない
→ある作物から病気が発生し区画ごと全滅させないため

また農地とは別に(これは男女・年齢問わず)100坪分の自宅を建てる土地を割り当ててもらうことが出来ます。(建物は個人名義可、あとは字に利用料を支払う)

とはいっても現在は島外の高校を出た後に島へ戻る青年は少なく、また昨今の建築価格高騰(離島建築は更に高い)もあり建てたくても建てれない、というのが現実ですが。

以上、良いのか悪いのかは別として日本でも珍しい制度が残るこの久高島

この先数年後、石垣島にはユニマットグループによる巨大なリゾート開発がありますが、この久高島でも過去バブル期に島半分以上のリゾート開発計画が上がってこの制度が明文化されました。

南の島の端で税理士をやっているものとして、全国の税理士会研修部の幹事様には是非、久高島への視察研修をオススメ致します。

スナックやゴルフ場なんかもないので集中して勉強することができる島。

え?

誰ですか?

スナックやゴルフ場がないとヤダ!?

まさか、そんなことをいうお偉方はいませんよね?(笑)

-ひふみ税理士の久高島photo−

沢山のオオゴマダラに出迎えられ

とても鮮やかなカエンボクにも迎えられ

いまは珍しい泊まれる郵便局をみてほっこり

御嶽は現在、立入禁止です
その昔、岡本太郎がここに入り「芸術は爆発だ」→その後太陽の塔が制作されたり

日帰りでは勿体無い久高島
是非、お泊まりあれ