すぐ、簡単に、とはいかないが10年かけたら確定申告業務は平準化しながらドル箱にすることも可能【こうやって実践して改善した編】

我が家、我が事務所から車で10分
北谷町美浜、デポアイランドの海岸沿いは
今日も夕日がキレイです

残業ばかりしていたあの頃
夕日を見る時間、余裕なんてなかった…

前回エピソード編からの続きで実践編

なお、この記事はサウナ帰りに書き始めました。(22時過ぎ)
不夜城(※)と呼ばれる某事務所を通りすぎ帰宅。
もちろん城の灯りは煌々と輝く。

※ 不夜城
沖縄に、いや全国各地には不夜城と呼ばれる税理士事務所が令和時代にもあるようです(残業ばかりで灯りが消えない)。そんなところの城主には何を言っても響かない。それどころか返り討ちに遭う危険性のほうが高い。静かに脱藩するのが正しい行動。近代ではこれを裏切り行為だ!なんて言われるらしいが、遡ること戦国時代ではごく当たり前、一般的なこと。騙されてはいけない。自分の意志を貫く必要がある。

 

確定申告をどんどん断っていたら顧客層が変わる

さて、どうしたもんか。
こなせどこなせど確定申告が降ってくる。

※飛び込み客が来たら一番余裕があるものが担当する悪しき伝統

そこで若き苦労人は考えました。

早めに取り掛かり、
誰よりも件数をこなしても、
「半沢直樹」浅野支店長、大和田常務の如く、
次から次へと難易度高き仕事が降ってくる。

うーむ。
こりゃいかん。

と思えたのが3年目くらい。

いくら早く、多くこなしても仕事が湧いて出てくる。
いくらやっても報酬も増えない。(もちろん残業手当はありません)
いくら早く済ませてもどうせ3月15日まで定時で帰れない。


少し成長したわたしはヒラメキました。
そうか、どんどん断っていけばよいのだ!と。

BOSSはお客様の顔を知らぬ。
申告料金も担当者が決める仕組み。
なんなら電子送信も誰がやってたかな…


とはいえ、3月15日期限のものを年明け、残り数ヶ月になってから断ったらクレームになること必至。

しょうがない、今回ばかりは涙をのんで受けて賜ります。ですが申告後、資料返却・そして報酬を頂いたあとはこう伝えましょう。(報酬を頂く前に伝え、こじれると貸倒れリスクあり、順序大切)

「〇〇様、今回はありがとうございました!(ニコっ)そして残念なお知らせなのですが、来年度はうちの事務所で確定申告をお受けすることが出来ません(申し訳なさそうに)。実はウチの事務所も働き方改革の一貫ということで残業があまり出来なくなったのです。この一年でも退職者が相次ぎ、人手不足もありまして、来年は顧問先関連以外の確定申告はお断りする運びとなりました。」と。


どんな方に告げるのは個人の判断にお任せ。以下一例

・毎年約束の日までに資料を集めない
・電話を多用する
・申告書作成を急かす
・現金納付しかしない
・アポが取りにくい
・申告報酬が低い
・喫煙者
・手間暇・時間がかかる
(独立前後、ひとり税理士のため泣く泣くお別れした方も)

・納税意識がない
・なんとなくウマが合わない(←ここ重要!)



で、他の税理士事務所を紹介出来れば100点満点

・お客様に怒られない(税理士が見つかったと)、安心していただける
・早めに紹介した税理士事務所に感謝される(増やしたい事務所はある)
・自分の時間が浮く

の三方良し


これを繰り返すこと5年!
件の通り、件数こそ減りませんでしたが
明らかにアワリーチャージ、ストレスレベルに改善アリ。

10月か11月に面談、資料の先取りをする

次にしたことは年内に会う、預かる

このお客様と、とことん付き合っていきたい!
が、いかんせんボリュームが多い。
毎年残業してしまう。
でも顧問契約するほどの規模でもない。

そのような時には年内に会いましょう!
わたしは11月3日、文化の日を前後にアポを入れどんどん面談していきました。

※というか暇さえあれば事務所にいたくなかったのでマメに(当時は)電話、メールをしたもの。「いや〜◯◯さん、ご無沙汰いています、今年はどんなですか〜?」と。後日談、何名かに言われました→「気にかけてくれてありがとね」と。


その際には半年分、出来ているものなら10ヶ月分の資料を預かるのです。記帳代行先であればなにも年明けに12ヶ月分をドサッとやる必要はありません。ここで、「いやいや年内にまとめることは出来ないよ・・・」なんて言われたものなら上記の如し。


Q 毎月報酬をもらっていないから先に仕事をしても年明けに貸倒れの心配は?

A 独立している身であれば先にいくらか頂くべきですが、サラリーマンであれば自分の時間を犠牲にした以外にリスクあります?それより年明け無駄に残業するより余程マシです。

それに年内にお会いすることにより、「実は譲渡があった」「建物を建てる予定がある」など重要なことを知り、納税者様にとってより良いアドバイスをすることが出来ます。事実そのアドバイスをきっかけに顧問へ、そして何よりも余分な税負担をさせずに済んだなどメリットしかありません。

 

顧問先様の決算期を変更する


11月、12月、1月決算の申告期限は確定申告時期と被ります。

毎月顧問料を頂く大切なお客様。
出来るものなら確定申告時期にぶつけたくありません。
じっくり、ゆっくり決算作業を行いたいもの。

というわけで該当月の顧問先様にお願いしました。
「そういえば、◯◯社長、御社はなぜ◯月決算なのですか?」

ここから◯月決算にした逸話が飛び出すこともあれば、「いや、ただなんとなくだけど」というちょっと期待ハズレな返答がくることも。

業種柄どうしても変更出来ない顧問先様を除き、決算期変更の手続きは無償でこちらが行い(登記変更の必要はない、お金はかからないことをアピール!)協力してもらいました。これで確定申告に集中です!

そんな無理だよ・・・と勝手に諦めていませんか?
その場合、顧問先様と少しコミュニケーションが不足している可能性もありますので今一度、考え直してみましょう。

確定申告のお客様を法人成り


以上を実践することにより、かなりの平準化が出来たのではないでしょうか。

それでもまだちょっとボリュームが、、、
と、次に行ったのが法人成りの提案です。

・夫婦で共に事業をしている
・お子様がいる
・事業所得と不動産所得がある
・事業所得でも幾つか分類できる

以上1点でも該当すれば、年金・健康保険、消費税の観点からわたしは法人成りを勧めています。(ネット上では詳細割愛しますが保険料の計算方法、社保と国保で年間で何十万円も違ってきたりと何かおかしい)

少々時間はかかりますが、シミュレーションを作成し提案するとかなりの確率で実行して頂けました。(いまや合同会社であれば7万円もせずに設立可能。わたしもこちらにお願いし昨年合同会社を設立。最後は法務局に書類を持参しますが、それまでのやりとりはネット上で完結。いや本当に便利な世の中です)


これにより所得税の確定申告がなくなった、また、あったとしてもボリュームが激減し平準化に繋がりました。

 

省略出来るところは省略する

紙提出はしない!
というのはもちろんのこと(沖縄、未だ紙提出をするところが…)、
納税額に影響がなく、税務署からも問い合わせがない箇所は、とことん省略していきましょう。

特に決算書、譲渡の内訳書、医療費、ふるさと納税!とだけお伝えしておきます。

 

また最近では資料の受け取り・返却ともにレターパックを使用することも。
このサイトを利用しています。あ、嫁税理士も以前記事を書いてました。

なお、ひふみ事務所では赤レターパックでも配達員さんが宅配BOXに入れておく仕組みにしていますので旅行などで数日不在でも安心安全。
不動産収入など変動のあまりない方を中心に非対面式も増加中。メール等でコミュニケーションがとれれば問題ございません。(会うのも面倒、そう感じるお客様も一定数います。会わなければ!というのはこちら側の思い込み)



新規は断る

最後になりますが独立したら伝家の宝刀、「断!」
新規は断る、これに尽きます。


ひふみ税理士事務所でも原則新規は断ってはいるものの正直、社長親族絡み、お子様への贈与など、どうしてもこちらでやるべき案件は発生します。ですからやっぱり一見さんには申し訳ないのですがお断り。

まったくの新規の場合、初期設定・確認などでだいぶ時間がかかりますので。

 

結果、見事に平準化される

以上、平準化するまでに10年かかってしまいました。
わたしがチンタラしてましたので読者様には7年!と伝えておきましょうか。早い方でも5年は考えて頂きたい。

すぐに、簡単に、ではなく地味な戦略で申し訳ない。
が、ジワジワッと効果が出てくる分、ズシッと効いてくる。
もちろん良き方向に。

自分の確定申告担当先の色が変わっていく。
濁っていたものが透き通っていくように。


そして有り難く頂いた確定申告報酬の殆どを年間の旅費にまわし、美味しいものを食べ、歩き、また見聞を広めていく。わたしはそんな生活を続けていきます。

コメント

  1. ky より:

    若い頃は苦労は買ってでも。。。と思ってました。が、結論は、する必要の無い苦労はしない方が良い。先を見て、仕事・準備・研鑽をしたいものです。連続投稿嬉し。