北海道新十津川町の秋、松山千春を口ずさみながら学園都市線沿いを散歩します。
・公示地価発表で笑うエリア、落胆するエリア
一応、税理士なもので数値が好きです。
すぐに比較したがる癖があります。
子供の頃から、
そして今以て腑に落ちない土地の価格差。
そもそも年を通して様々な時期に発表される土地の価格。
今回は国土交通省が発表したもので1月1日時点の価格です。
その他色々ありますが割愛、というか各機関が統一して土地価格を年に一度発表すれば
無駄が減るんですけどね。
どのみち、いざ取引を行う際には参考でしかありませんから。
実際このランキング、
上昇率の高い街に暮らしている方からすると気持ち良いニュースかも知れませんが、
下落率の高いエリアの方からするとえらい迷惑なニュースでもあります。
(私のようなミーハーが訪れたりもしますし)
ちなみに昨年は、
全国下落率一位だった北海道美唄市某町に実際に行ってみました。
一年でなんと20%の下落率。
どのくらい寂れていたかというとこんな感じで…
人気がなく、キタキツネしかいませんでした(半分本当です)
笑い話にしたいですが笑えない現状です。
・公示地価、全国の変動率上位5地点の中から考察
それでは関与先様や確定申告のお客様にも多い
『不動産賃貸業』の観点から見てみましょう。
今回、全国3位の下落率でランクインされたのが、
北海道の実家から車で1時間ちょっとの三笠市美園町。
(坪単価1.5万円)15万円ではないです、15,000円です。
反対に上昇率全国第4位が那覇市おもろまち。
(坪単価89万円)
今回はこの土地勘のある2エリアを強引に比較し、
不動産投資の観点からみてみたいと思います。
まずは価格差。
公示地価なので実際の取引ではもっと値段が変わってきます。
今回の那覇市おもろまちエリアでいえば昨年は一時期、
坪200万円という話も出たくらい、公示価格とかけ離れています。
ここ最近を考慮しても100万円は下らないので、仮に100万円とします。
一方三笠市。
昔は石炭の街、最近はワインで少し有名ですね。
※『ぶどうのなみだ』の舞台は隣の岩見沢という街です。北海道のピノ・ノワールも最近は美味しくなりました。
それでも昨年の美唄市同様、人口減少が止まりません。
正直、最近の細かい不動産事情はわかりませんので、
市役所のデータを参考に、公示地価通り15,000円としましょう。
坪単価、1,000,000円と15,000円。
その差、66倍。
上モノはそうですね
那覇市はRCで、
三笠市は木造で建築をお願いしてみましょうか。
これだけで減価償却費が2倍近く差が出ます。
ここで質問。
極端ですがあなたならどちらのエリアで不動産賃貸業を始めてみますか?
条件として「全額借金して投資する」としましょう。
土地価格は人気投票ですから那覇市おもろまちで始めると、
将来土地の値上がり益を狙えるかもしれませんね。
一方、三笠。どんどん人が減っていって、
借りてくれる人もいなくなるかも知れません。
うーん、どうでしょう。
もちろん答えなんてありません。
那覇市おもろまち。
今は人気ですけど、これから浦添のキンザー地区も開放され(そのエリアは西海岸ですし)那覇市が廃れるかも知れません。
三笠市。
三笠ワインが世界的に有名になって海外からワインマネーが流入し、奇跡の復活を遂げるかもしれません。
地球規模の温暖化が異常に進み、避暑地の北海道へ人口流入するかもしれません。
(私はこの理由から100年後の北海道は今より栄えていると予想します)
ちなみに三笠市は千歳空港から車で1時間ちょっとなのでそんなに遠くないのです。
如何でしょうか。
土地の価格66倍の差、
建築コストもRCと木造なので1.5倍ほど差があります。
同じ間取りのアパートをつくったとして、家賃でこれだけの差を頂けるのでしょうか。
大都会とド田舎。
同じ日本なら(間取り、内装設備が同じとして)せいぜい家賃差は3倍前後でしょう。それなのにコストが大きく違います。
以前にもお伝えしていますが現在の沖縄土地価格は異常だと思います。
私ならこれ以上?下落リスクの少ない三笠市でアパートを建てますね。
坪15,000円。
土地は財産という考えを捨てます。
加藤ひろゆき氏がなぜプチ富豪になれたのか?
北海道の面白物件も多く所有されている方で大変参考になります。
何事もそうですが
美人(人気の土地)ばかりに目を向けると
将来痛い目にあいそうな気がしてなりません。
【編集後記】
・今日は午前と夕方にそれぞれ顧問先様訪問。
どちらも不動産投資のお話があり今回の記事を思いつく。
下記写真は2017年秋、
北海道芦別市のカナディアンワールド公園。
当時バブルだったとはいえ、
良くもまぁこんな無謀な計画が実現されたのかといまだに理解できません。
申し遅れましたが私、廃墟マニアです笑