一代でとある企業を築いた厳格な父。
(あ、一応、写真左側が父です)
も、
優秀で出来の良い長男にはちょっと甘いところがある。
(若いけど優秀なんですって。右側の青年が)
出来ればこの長男に俺の会社を継いでもらいたい・・・
創業オーナーは自分で築き上げたこの会社が未来永劫続くことを願っている。
可愛い我が息子への事業承継問題。
これで一人息子なら全てを継いでメデタシ、メデタシ・・・
なのだが、そう上手くいかないのが世の常。
この家庭にはひとつ、みなが頭を悩ませているとある問題が!
「寒いところでなんか暮らしていられるか!」
と勝手に故郷北海道を飛び出し単身、沖縄で何をして暮らしているか良く分からない問題児(二男)がいるのである。
(昔に撮った家族の集合写真)
こいつ→カネを散財するクセに、少しだけ法律をかじっているため(優秀な)兄と同等の相続分があることを常日頃まわりに言いふらしているそうだ。
父はここでいつも頭を悩ます。
「う〜ん、どうしよう、この会社はビルも土地も経営権(法人の株式)も全てを長男に譲らないと会社はうまく続かない・・・二男は売っ払って遊び呆けてしまいそうだ」
ところが全てを長男に相続させたい!と顧問弁護士に相談しても、
「二男が遺留分減殺請求をしてくるでしょうね」
「もめても企業イメージ悪くするだけですよ」
と忠告してくれる。
この親切な弁護士は同じく生真面目な顧問税理士と共同で作業し、法人の株式と同じくらいかちょっとだけ低い「評価額」だという不動産が「これ」と「あれ」だと教えてくれた。
ふむふむ、そうか「これ」と「あれ」を二男に(しぶしぶ)相続させればなんとか法人の経営権は長男で安定なんだな?
よし、仕方がないがこの方法でいくか!
※注意→「これ」と「あれ」は社長個人名義の土地建物で、「その法人」へ貸している。
以上をまとめると→
・ 法人(株式)は「長男」のもの。
・ その法人が借りている建物(本社と工場にしましょうか)と土地は「二男」のもの。
果て、この場合たとえ裁判になっても長男は勝てるというが・・・
その分割でシアワセは続くのだろうか?
と、ここから現実の世界へ
一応、ひふみ税理士は旅行もしながら少しだけ勉強もしている。
今朝観たとある「事業承継セミナー」で講師の一言が気になって今回の記事。
「法人の株は長男に、そして同等の財産、出来ればその会社に貸している社長ご自身の土地建物があればそちらを二男へ。そうすれば二男は将来家賃をもらい続けて暮らしていけます!」
とのお導き。
うん、なんとか暮らしていけそうです。
相続で不動産オーナー、良いですよね。
でもちょっと待った。
これは「長男」と「二男」側からみると、本当にこれで良いのだろうか。
もちろん仲が良ければ問題なし。(その次の代は知りませんが)
そして「二男」もその法人で働いていれば兄と切磋琢磨して・・・
ってそこです!
実はここ、実際の社会では多々問題があるのです。(二男も会社に勤めている場合)
→社長は長男、社員(役員かな)に二男。
と、ここまでは良く見かける光景。
でも土地・建物は二男名義。
ここで優秀な第三者である従業員はこう考える。
「あれ、お兄様が社長だけど、弟さんが不動産オーナー??」
この会社、キーマンが二人になっちゃっいました。
法的にみれば確かに法人株式を所有する兄が経営者、いわゆるBOSSだ。間違いない。
しかし弟も毎日会社へ出勤し、かつ役員や幹部で部下を率いているならば従業員からみると弟も相当な権力者にみえるだろう。なんせ不動産オーナーですから。
そう、この会社はいずれ社長派と弟派に分別する「リスク有り有り法人」になってしまう。
中小企業事業承継の鉄則、
承継子息は誰か一人にするべき!
これだけを書かせて頂く。
では相続時にどのような対応をとれば良かったのか?
答えは簡単「遺言書による代償分割」である。
えーと、もう遅いし台風24号が近づいてきてますので、この代償分割の話はまた気が向いた時に。名前の通りですけどね。
では!
-【事前告知】ひふみ税理士、セミナーやります!-