社長の家のマッサージチェアは経費で落ちません。税務調査中のやりとり疑似体験。


わたしが通うジムのマッサージチェア
※本記事と当該ジムは一切関係ありません。

みつからないよね?

税理士が仕事中に見た、一枚の領収書。

お店 ○○ダ電機

品代 ○ナソニック マッサージチェア

金額 277,000円 税込

社長さん、良いモノ買いましたねぇ。

で、何処に?
みたい、みたい!

「ま、まぁ良いじゃないの。それよりあの件だけどさ・・・汗」

いやいや社長、
で、ドコ、そのマッサージチェアは?!

領収書しかないけど、

ええっ?
まさか・・・
送り状の控えを見せてくださいよ!
(辺りをみてもチェアが見当たらないもので)

ま、まさか、いくら体力あるからって自分で運べませんよね。

「そ、それがまだ自宅にあってさ汗」

ってなんで○○ダ電機からわざわざ、自宅経由・・・

いつ、こちら(会社)に?

「いやー、こっち(会社)も狭いでしょ、暫く自宅において置こうかと」

「嫁や親父も気に入っちゃてさ」

「30万未満だし、税務署にもバレないでしょ???」

得てしてこのようなお考えの方は「30万円未満・・・」だとか余計なことを知っている、そして言ってくる。

金額がいくらだから(プライベートのものも)良いとか、バレない、とかそんなの都市伝説。

全ての税理士が気付くのかは分からないが税務調査ではまずバレる。

「現物はどこですか?」

いや、いくら調査前に自宅から会社に持ってきてもムダですから。

「送り状をみせてくれ」で一発KO

これはマッサージチェアに限った話ではない。

代表的なものだと、

・クーラー
・大型テレビ
・冷蔵庫
・洗濯機、乾燥機
・家具(ソファなど)

さすがにベッドはいないだろうが、
上記に掲げたものを経費に入れようとする社長サンもいるらしい。

しかししかし、残念。
こんな初歩的なことを「経費になるよ」なんて言っている輩は税理士ではない。

それは電器店の販売員だったり
国税OBの似非コンサルタントだったりする。

調査官の「送り状をみせてくれ」で、ハイ終了。

「送り状、捨てりゃ良いでしょ!」
「もう壊れたとか言うよ」

お!その手がありましたかっ!ってハァ〜

優秀な調査官ならこう伝えるでしょう。

「そうですか、
送り状が手元にない・・・分かりました。

それではそのマッサージチェア、

いえ、それでは他にも、
・○月☓日のテレビ、

・△月◇日のテーブル、
こちらも全て壊れたとのことでしたよね。
(んなことあるかい!)

では、こうしましょう。
社長を信じたいのですが、
送り状もないとのことですし、
(少し申し訳なさそうに)一応仕事なので、
全てのお店へ行って送り状を確認して参ります。
(超面倒ですし、本当は全てのお店がこの程度の案件で協力に応じないですけど)

もちろん、全てこの事務所へ配送していますよね。
これらのモノを事務所以外に送っていることは、
さすがにないですよねぇ?」

「お?お、おう?!そうだとも・・・」

さぁ、この後、社長サンはどうなるでしょうか。

これらは全て架空のお話
わたしが勝手、調査官になったつもりで想定

1件でも「自宅へ配送」 の証拠を見つけたら・・・

・虚偽の説明を受けた
・過去にも疑義がある

ということで過去3期(年)といわず、
ガッツリ過去5期(年)、
いや7期(年)は調査する!って脅すでしょうね。

さぁ、社長サン、
それでも自宅用のマッサージチェアを経費に入れてみますか?

なお、僕は延滞税の計算とかしたくありません。
あまりにも残酷、トルコリラ以上の金利相当ですから・・・

コメント

  1. koja より:

    怖い・・・正直にはらいます